今回は、SC軽井沢クラブの小崎専務と事務局の山田さんにスポーツクラブの運営や体育施設の利用状況に関してお話を伺いました。(インタビュアー:イベントナガノ 芝)

SC軽井沢クラブについて
子どもから大人まで各種スポーツ教室を開催

:まず、SC軽井沢クラブについて、活動内容などを教えてください。

小崎専務(以下敬称略)NPO法人スポーツコミュニティー軽井沢クラブは「総合型地域スポーツクラブ」です。文科省が国のスポーツ振興計画を作った際、軽井沢町に新しい地域スポーツの担い手として、民間でもなくスポーツ協会でもない地域スポーツを普及させようと2004年に作られました。欧米のスポーツ文化を軽井沢で発信していけるようなもの、つまり競技スポーツではなく人の人生を豊かにするスポーツ、人生を楽しくするスポーツをクラブの活動を通して実現しようと活動しています。

具体的には、軽井沢町の風越公園というアイス施設が3つもある全国でも珍しい総合運動公園の指定管理の仕事を軸にしています。色々な教室やプログラムを子どもから大人までの地域住民や別荘滞在者、旅行者の方々に提供すること、また、町の保健福祉施設にスタッフを派遣し、健康寿命を延ばしてもらうよう運動指導をしております。

加えて、私どものクラブは創業時からスポーツイベントを得意としています。主催する軽井沢国際カーリング選手権大会や現地運営を担う軽井沢マラソンフェスティバルがその代表例です。

さらには、主軸スポーツの1つにカーリングがあります。JOCの強化拠点にも認定された世界最大級の通年型カーリング施設が風越公園内にありますので、トップアスリートに施設の活用を推進し、また次世代のトップアスリートを育てるという強化や育成に力を入れております。

カーリング SC軽井沢クラブ

長野県総合型地域スポーツクラブ一覧|長野県庁

新型コロナウイルスによる影響について
軽井沢マラソンフェスティバル

:活動に対する新型コロナの影響はいかがでしょうか。

小崎:私どもの事業の大半が指定管理施設で行われていますが、イベントや教室、プログラムなどすべてに関して、自主的に2月末から休止しました。そのおよそ1週間後に施設の閉館が決まり、施設の修繕や管理などを行ったり、再開後の対策をしっかり話し合いました。
緊急事態宣言が明け、施設は6月に入ってから再開し、利用制限などを設けながら教室やプログラムも一部を除いて実施しています。

感染予防対策をしながらのため、お客様にご不便をおかけしていますし、スタッフにも感染防止策でいつも以上の負担をかけています。本来であれば春から秋までの多くの観光客や別荘客で賑わいますが、今年は全く予想がつきません。

秋のマラソンフェスも去年に引き続き中止が決まってしまいましたね。

小崎:はい、残念ながら今年は中止が決定しました。

山田さん(以下敬称略):毎年4月に募集を開始していますが、その前にコロナが流行してしまいました。募集や大会の準備もままならず、感染状況の予測がつかない中では十分な予防が行えないと中止に至りました。

:実行委員が集まれないことやスタート地点とゴール地点で密を避けるのが難しいことを理由に、マラソンをはじめスポーツイベントは軒並み中止となっています。
一方、それに反してイベントを期待している、待ち望んでいる方々も多いようにも思います。

山田:そうですね。そういった声はたくさんいただいております。イベントや大会については、行政の判断や様々なガイドラインを参考にし、感染状況を注視しながら慎重に検討していきます。開催の際は参加する人、観る人が少しでもスポーツを楽しめるよう努力したいと考えています。

教室運営やイベントプログラムの再開と感染対策について
感染防止対策を行いつつ教室等を6月から再開

:スポーツ教室に関してはいかがでしょうか。

小崎:教室については6月から再開し、ジュニア教室では9割以上の方がいらしています。マスク着用の際は運動強度を下げるなど内容を工夫しながら行っています。

:やはり待っていらっしゃった方が多いようですね。

小崎:そうですね。自宅にいて体を動かせないストレスを抱えていた方が多いように見受けられました。

:感染予防対策はどのようなことをなさっていますか?

小崎:スタッフや指導者の対策はもちろんのこと、教室やプログラムの参加者には、ご自身の体調を事前にチェックしていただくことやマスクの着用など、基本的なことをお願いしております。入場時に体温を測り、アルコール消毒を用意する他、施設によっては利用時間枠や利用人数の制限を設け、防疫がスムーズに行えるようにしています。

:人数制限は通常の半分ほどでしょうか。

小崎:6月の再開当初はかなり細かく、少人数に限定しておりましたが、現在では少しずつ緩和してきました。ただしこれも今後の感染状況によります。

カーリング体験について
軽井沢アイスパークのカーリング体験(8月より再開予定)

:通常モードに徐々にシフトしていくとのことですが、カーリング体験も同時に再開予定でしょうか?

小崎:現時点では8月から再開予定です。再開となれば感染拡大の防止に最大限配慮しつつお客様に楽しんでいただける時間を提供したいと思っています。

:個人的に前回のオリンピックでカーリングが好きになったので、ぜひカーリング体験させていただきたいです。以前から言っていますが(笑)。

小崎:再開の際はぜひいらしてください!

:風越アリーナや軽井沢アイスパークでは通年で氷が張っているのでしょうか?

小崎:アイスパークのカーリングホールと、アイスホッケーやフィギュアスケートができるアイスアリーナの2カ所は通年営業しております。

:夏場でも涼しさ通り越して寒いが勝るかもしれませんが、より快適に非日常を楽しめる場所ですよね。
コロナの影響で服の貸出への影響は?

小崎:ウェアのレンタルは致しますが、ご自身で用意されることをお勧めします。またマスクは必ずご持参いただき、体験時にも着用していただきます。

:対策をどこまですればいいのか難しいですよね。

小崎:これからも考えられうる措置は継続したいと思います。

:コロナ自粛解除後に2つのイベントを取材に行きましたが、いずれの主催者様も何が正解か分からない中実施したもののお客様がすごく協力的だったと感じましたので、お客様と共に対策していく感覚が必要かもしれませんね。

軽井沢の現状について
軽井沢アイスパーク・屋外スケートリンク(冬季のみ)

:SC軽井沢クラブというよりも軽井沢町としてとなるかもしれませんが、一般の方に知っていただきたいことはありますか?

小崎:冬が一番いいという方もいらっしゃるのですが、軽井沢は避暑地、リゾートとして知られる通り、早春から夏、秋まで美しい自然の中でスポーツが楽しめるところです。とくに軽井沢風越公園は通年型のカーリングリンク、アイススケートリンクを含め、多種多様な競技に対応しています。ご来場の際は軽井沢の景色とともにスポーツをお楽しみいただきたいと考えております。

:弊社のアルバイトスタッフが主に信州大学の学生で県外から来ている人も多いのですが、せっかく長野県に来ているのですから軽井沢含め県内を訪れて長野県の魅力に触れて今後に活かしてもらいたいと思っています。

小崎:そうですね。旅行先の候補にお考えいただければ嬉しいですね。

:今の軽井沢の企業や経済の様子はいかがですか。

小崎:軽井沢は観光産業で潤っている町なので、ダメージはかなりあると思います。ですがみなさん、今できることを一生懸命やっていらっしゃいます。

:このようにインタビューをしていて感じますが、皆さん前向きに頑張っていらっしゃる方が多いですね。

小崎:いつまで続くか不安ではあっても出口は必ずあります。町の皆さんの協力を仰ぎ、一緒に頑張るしかないですよね。

小崎専務、山田さん、今回はスポーツクラブや施設運営、軽井沢町の状況について色々お話しいただきありがとうございました。

イベントナガノでは今後も様々なイベント業界の方々にお話を伺い、現状や問題点の共有・ご理解をいただき、イベントが再開されるまで、されてからのバックアップを進めて行きたいと考えております。
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